Philosophy
理念
基住を支える3本の柱
生きる営みとして、風景を耕す。
田畑が広がり、山並みが連なる風景。
水路を流れる水の音や、鳥や小動物の気配。
自然のままに残されてきたものではありません。
長い時間をかけて、人が土地と向き合い、手を入れ、耕し続けることで、
農や林業は、食を生み出すと同時に、風景そのものを形づくってきました。
それは、人と自然との距離を調え、暮らしのリズムや感覚を支えてきた営みでもあります。
しかし今、その担い手は減り、風景とともに、土地に根ざした暮らしの実感も失われつつあります。
私たちは、農や林業を「産業」や「効率」だけのものとしてではなく、
人が自然と直接つながり、生きる手応えを取り戻すための基盤だと捉えています。
食と農を未来へとつなぐことは、安全でおいしい作物を守ることにとどまらず、
人と自然、人と人との関係が静かに育まれる風景を、次の世代へ手渡していくことでもあるのです。
自然とともに、呼吸する街。
グリーンインフラとは、自然が本来持つ多様なはたらきを、街や暮らしの基盤として享受するものです。
たとえば、近年増えている突発的な大雨では、コンクリートに覆われた都市では雨水が地面に浸透せず、
一気に川へ流れ込み、氾濫や被害を引き起こすことがあります。
一方で、土や緑が雨を受け止め、各所で少しずつ水を蓄え、ゆっくりと循環させる仕組みがあれば、
自然の力が街を守る役割を果たします。
貯められた雨水は、日々の散水や、非常時の生活用水としても活用できます。
グリーンインフラは、防災や環境対策にとどまりません。
緑が街に戻ることで、風や光、水の流れが調い、野鳥や生きものが集い、人の感覚にもやさしく作用します。
人と自然を切り離さず、互いの距離を近づけ、ともに生きる関係を編み直す。
グリーンインフラは、街を単なる機能の集合体から、
人と自然がともにあり、呼吸を交わす環境へと変える基盤なのです。
立ち止まり、世界をまなざす。
アートは、明確な答えや効用を与えてくれるものではありません。
むしろ、人が世界や自分自身との距離を少し取り直し、物事と静かに向き合うための手がかりとなるものです。
私たちは、住まいや街、福祉の現場に関わる中で、空間や仕組みが整っているだけでは、
人の心は必ずしも満たされないことを見てきました。
人が充足感を得るためには、立ち止まり、感じ、考えることができるだけの余白――
ときに効率からこぼれ落ちるような時間が必要です。
アートは、その余白を暮らしの中にひらきます。経済性や効率に押し流されがちな日常の中で、
人がふと足を止め、世界を見つめる時間を差し出します。
私たちは、アートを人と人、人と場所、人と社会の関係に
静かな揺らぎをもたらす契機のひとつとして捉え、
そこから立ち上がる暮らしや街と、丁寧に向き合っていきます。